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ばかの学習帳

(ばかが)学びのアウトプットと文の練習とカタルシスのために

【雑話】SMAPのこと

雑話 音楽

SMAP解散報道

 

 今年8月14日夜、日本中に衝撃が走った。

 突然の「SMAP 年内解散」報道だ。1月に騒動はあったものの、落ち着きを見せていたと勝手に思っていた。

 僕はといえば、オールナイトの野外ロックフェスで夜食を食べている時に、隣のお客さんが悲鳴に近い声で「え!SMAP解散だって!」と言ったことで話を知った。すぐさまTwitterを開くとタイムラインはその話題だらけ。ついにきたか…というのがその時の気持ちだったと思う。親族の訃報を受けた時と似た感覚だった。

 

 

解散発表後のメディア

 

 あれから2ヶ月経った今でも、週刊誌やウェブのゴシップメディアを中心にその解散の原因や、今後の各メンバーの活動を巡る「憶測」が報じられ続けている。今回のSMAP解散の奇妙なところは、解散ツアーのようなものが行われる可能性はなく、現在のところSMAP5人での解散を受けての企画(テレビの音楽番組への出演やベスト盤などのCDリリース)が何も発表されていないにもかかわらず、唯一メンバー全員が顔を揃えるテレビ番組『SMAP×SMAP』の放送だけが、活動の期限とされる今年の年末までこれまで通り毎週平然と続けられていることだ。
 解散に至った直接的な原因はメンバーの不仲にあったわけではないはずだが、結果的にコミュニケーションに問題が生じているといわれるメンバー同士の姿や表情や発言をテレビの画面越しに毎週見るというのは、それがテレビ局との契約によるものだとしてもエンターテインメントの在り方として不健全な状況だと思う。アイドルというものには必然的に「見せ物」の要素があるわけだが、現在の彼らは、おそらくは本人たちにとって不本意なかたちで「見せ物」となってしまっている。

 

国民的グループとしてのSMAP

 今更ながら、僕はSMAPが好きだ。

 とくに、解散報道後は特にそれに強く気づかされた気がする。SMAPのことを考えたり、SMAPの音楽を聴いたり、メンバーのラジオを聴いたり、しばらく観ていなかったスマスマを観てみたり、この騒動後はわかりやすくSMAPのことを気にしている。これは当然僕だけではないはずで、日本中の「今までSMAPがいる日常を当たり前と思っていた」人に起こり得る得る現象だと思う。

 こう言うと大袈裟と思われるかもしれないが、SMAPはあまりにも僕らの生活に浸透していたのだ。まさに国民的アイドルグループに相応しく、他に類を見ない。

 音楽ライターの宇野維正氏は自身の記事で、SMAPの国民的グループ性についてこう述べている。

(ここで宇野氏が述べている番組とはスマスマのことです。)

番組では、2011年3月に東日本大震災が起こって以来、5年以上たった現在に至るまで毎回、番組の最後にメンバー5人がフォーマルなスーツに身を包んで一列に立ち、視聴者に復興支援を呼び掛けている(現在は、今年4月に起こった熊本地震の被災者への義援金への呼び掛けも加えられている)。大きな災害が起こった後にタレントやミュージシャンがチャリティー活動をすること自体は珍しいことではないが、それをここまで継続的に、毎週、視聴者に向けて行っている例は他にない。
その復興支援への呼びかけのパートは、最初にジャニーズ事務所独立騒動の報道があった今年1月以降も、その都度撮り直されている。彼らはただ日本人の多くから「国民的グループ」と呼ばれていただけではない。その役割を自認して、その立場でその時に何をすることができるかを常に考えてきたグループだった。あるいは、そうした役割があったからこそ、それぞれがソロ活動で人気役者として、また人気バラエティータレントとして活躍するようになって10数年がたっているにもかかわらず、SMAPの一員であり続けてきたという側面もあったのだろう。
そのことを考えると、年内解散が報道されて、グループとしての音楽番組への出演やCMの契約が途絶えてしまった現在も『SMAP×SMAP』だけが続いている理由は、テレビ局との契約問題だけではないことが分かる。彼らは最後まで、少なくともその役割だけは果たし続けようとしている。

 もやはSMAPはただのアイドルグループにとどまらず、国民に強い影響力を持つカリスマ的な存在であることが伺える。昨今は後輩の嵐の活躍が目覚ましいが、SMAPのキャリアと功績には及ばない。そもそも、ジャニーズタレントが今のように、歌やダンス以外のバラエティー番組などで活躍するようになったのは、間違いなくSMAPの功績が大きい。

 僕の90歳近い祖父母ですら、当然のようにSMAPのことは知っている。演歌大好きの祖父は「SMAPの歌はどこかスッと気持ちよく耳に入ってくる不思議なハーモニーだ」などと褒めていたことを覚えている。

 

SMAPが変えたアイドルの存在意義

 元来、日本のアイドルグループはテレビのバラエティーショーにゲストとして出演することはあっても、ホストとして番組を持ち、そこでゲストに率先して自らコメディーやパロディーを演じたりすることはなかった。そんなさまざまなテレビ界、芸能界の常識を覆してきたスマスマは、日本のテレビ番組で最も潤沢な制作費が注ぎ込まれてきた番組であり、日本においてアイドルという存在の意味と可能性を広げることとなった先駆的な番組でもあったと思う。

 

今聴くと染みる曲

こんな今のSMAPの状況だからこそ、今まで以上に歌詞が染みてしまう曲がある。

君は君だよ
歌:SMAP 作詞:小倉めぐみ 作曲:谷本新


夕暮れを足早に歩いてく
君の後ろ距離を とって 歩く
なぐさめるなって背中が 黙って言うから
僕も声には出さないで 話しかけてる
君は君だよ だから誰かの
望むように 生きなくていいよ
君は君だよ いつも自分が
やりたいこと まっすぐ見つめてなよ

こなごなになるくらい 傷ついて
ダメになる手前で 持ちこたえる
ホントにまだ たいして長く
生きてないのにね
これでけっこういろいろと
あるもんだよね
君は君だよ だから誰かの
真似なんかを しなくてもいいよ
君は君だよ 心が決めた
明日ならば それが本当だから

一人一人が 泣いて笑って
同じ時を 歩いているよ
つきはなしたり 意地をはっても
わかりあえる そう信じてる
君は君だよ だから僕には
かけがえない 一人なんだよ
君は君だよ 他の誰にも
かわりなんか できやしないんだから
LaLaLaLaLaLaLa…
LaLaLaLaLaLaLa…

 

いや、今じゃなくても普通に良い歌詞だが、「誰かの望むように生きなくていいよ」というところが、なんだかSMAPのメンバーのことを言っているようで複雑な気持ちになってしまう。

 ファンの望むように生きなくてもいいけど、解散も仕方ないけど、何か最後らしいことをして笑って終わってほしい。